Pragelpass

1550m

プラゲル峠

2006.09.01

ルート

Schwyz 〜 Muotathal 〜 峠 〜 Klontal 〜 Glarus

ViaMichelin


Schwyzの町を遠望、背後にGross Mythen 1899m 2006.09.01

 こんな出会いがあった。
 ある日ある峠(Albulapass)を越えてある町(Bergun)を散策していた時、小さな子供を2人連れた若いスイス人の夫婦が話しかけてきた。聞くと彼らもサイクリストでなんと2年掛けて世界を回った事があるという。お互い海外を走っている身なので話も弾みその中でこんな話題になった。
彼 :「これからどこへ行くの?」
僕 :「えーっと、プラゲル峠とクラウゼン峠は絶対行きたいなあ。」
彼 :「えっ?プラゲル峠!?何でプラゲルなんて日本人のお前が知ってるの?オレは走ったことあるけど…。」
僕 :「実はスイスは4回目なんだ。」
彼 :「へえ、でもプラゲル峠はきついぜ、いい所だけど。まあ頑張れよ、グッドラック!」
 と、まあこんな会話をしたのである。どうもプラゲル峠というのは知る人ぞ知る地元サイクリストお薦めの峠という風な位置付けのようだ。
 この会話から5日経った2006年9月1日、僕はプラゲル峠の麓の町Schwyzにやって来た。さあて行きますか!
 Schwyzはスイス建国に深い関わりのある町でスイスという国名の由来となった町だ。旧市街は山の斜面にあり町の中心までは緩やかな上り坂になっている。中央広場にある壁絵の美しい市庁舎の前を通りムオタタール(Muotathal)方面へ進む。Muotathalまでは約13Km、標高差は100mちょっとしかないのでまだまだ足慣らしといったところ。途中、狭い峡谷を回りこむとStoos行きのケーブルカー駅がある。Stoosは車の入れないカーフリー村である。日本ではツェルマットやミューレンが有名だがスイスには他にも幾つかこういった村が存在するのだ。


激坂を上る 2006.09.01

 ケーブルカー駅を過ぎると峡谷を抜け広々とした明るい谷間に入る。この辺りには製材所が多くあり生木の香りが漂ってきて気持ち良く走る。やがてMuotathalに到着。ドイツ語で谷という意味のtalがこの周辺ではthalと表記されているのに気付く。おそらく方言だろう。Muotathalの町は小さいがひと通りの施設は揃っていて小さなスーパーもある。町の外れの橋(標高630m)を基点としてサイクルメーターの値を0にして改めて出発。1Kmほど平坦だが右にカーブし橋を渡ると森の中に入り本格的な上りになる。この上り口に鍾乳洞(holloch grotte)の入り口があるらしく建物が立っていた。この時は素通りしたのだが今この文章を書いているときに検索すると世界で4番目に長い洞窟らしい。へえ。
 それはさておきこのプラゲル峠、一言で言うととんでもない激坂の連続である。峠近くが平坦なので前半で一気に上る事になるのだがその最大勾配は18%!また1Kmの平均が14%というとんでもない区間もある。僕のランドナーはクロスレシオにしているのでインナーローは22-26tなのだがキャンプ装備満載だとこの勾配はほぼ限界に近い。押した方が楽じゃないかと思うのだが好き好んでここへ来ているのだからとダンシングでギリギリと踏みつけるようにしてペダルを回していく。こんな状態がずっと続くと僅かに勾配が緩くなりインナーローがシッティングで回せるようになると楽だなと感じてしまう。実際は心拍数も高くてゼイゼイ言いながら走ってるのに「あっ、楽になった…」と思考している自分が不思議だった。


上って来た谷を見下ろす 2006.09.01

 交通量はマイナーなルートにしては多く車やバイクが結構通る。サイクリストも多い。高度が上がると森は途切れがちになり農家が点在する牧草地帯になる。どの農家にもチーズや蜂蜜直売の看板が出ている。左手にはギザギザ尖った山並が見えている。
 約7Kmほど上った辺りから地形が変わりかなり緩やかな部分も増えてくる。そして約12Kmで峠着。峠は広い高原状の地形で小さな教会とレストランらしき小屋がある。残念ながら峠の標識はない。周囲に目立った山はなく上って来た方角の西側遠くには高山の連なりが見えるが既に17時半を回っていたので完全に逆光のシルエット、午前中か昼間なら綺麗だろう。


Glarnisch山群とKlontalersee その1 2006.09.01


Glarnisch山群とKlontalersee その2 2006.09.01

 東側へ下っていくと正面に褶曲地層をむき出しにした荒々しいグレールニッシュ山(Glarnisch)と鏡のようなクルーンタール湖(Klontalersee)が見えてくる。ここからの眺めは実に素晴らしい。スイスでも他に類を見ない絶景ではないだろうか?この景色の為ならあの激坂を上る価値は十分にあるだろう。
 道はやがて湖岸沿いの平坦路になる。最寄の大きな町グラールス(Glarus)へはまだこの後しばらく下るのだが今日はこの湖にあるキャンプ場で一泊する事にした。



湖岸からGlarnisch山を見上げる 2006.09.01

 追記:実はこの峠、週末の土日は車、オートバイは越える事が出来ない(徒歩、自転車はOK)。規制区間は峠から東側の最奥の集落Richisauの間なので西側(Schwyz側)からアプローチすれば峠までは行ける事になる(未確認)。理由は勝手な推測だが牛などの家畜の放牧の為ではないかと思う。

周辺のキャンプ場

Glarus(Klontalersee)

Guntlenau

料金

13.75sf(2006年)

地面

傾斜ある草地 木々なし

設備

シャワー 0.50sf 2分、熱! トイレ紙有

フリーサイト

評価

★★★

 クルーンタール湖には2つのキャンプ場があるのだがこれは湖東にある方のキャンプ場だ。車道にはなぜかキャンプ場の在り処を示すサインポストがないのだが場所は湖の南側なのでGlarus方面へ下る道へは曲がらずに直進しよう。やがて広い駐車場の先にサイトが見えてくるはずだ。
 kiosk兼受付で簡単な食料は手に入るがどこかで買出ししてくる方が無難だろう。なお湖周辺には商店はない。
 テントサイトは広くて開放的。湖は良く見えないが背後の山並は壮観だ。
 シャワーは有料で0.50と1sf硬貨が使える。0.50sfで2分間お湯が出る。ホース式の蛇口は使い易く熱湯が出るのでとても素晴らしい。ただこの2分間が曲者でコインを入れてから湯を使おうが止めようが2分きっかりで止まるので要注意。0.50硬貨を数枚用意し止まったらその都度追加するのが賢いと思う。
 キャンプ場の周囲には街灯が殆んど無く晴れていたら満天の星空に出会えるだろう。


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